離婚による財産分与に伴う不動産登記
ご夫婦が共有していた自宅の元ご主人の持分を財産分与を原因として奥様に移転する登記を承りました。
離婚による財産分与の場合、元ご主人の協力が欠かせませんが、奥様との面談時にご同席いただき、身分証明書のご提示や印鑑証明書と権利証のご用意もいただき、委任状や登記原因証明情報への捺印にも快く応じていただけました。
ただ、財産分与につきものなのが住所変更、いわゆる「名変」です。今回も元ご主人の現在の住所と登記簿上の住所が異なっていましたし、奥様の方の住所は移転はしていなかったのですが、住居表示が実施されていたことにより、こちらも登記簿上の住所と異なっていました。
元ご主人の名変は必須なのですが、奥様の名変は任意です。しかし、離婚前に共有していた持分と、今回、財産分与として元ご主人から受け取る持分とで、異なる住所で登記してしまうと登記所には別人とみなされ、「共有者」と表記されてしまいます。
これを「所有者」とするためには、やはり名変が必要なのです。したがって、「住居表示による住所変更の登記」、「住所移転による住所変更の登記」、「財産分与による持分移転登記」の合計3件の登記を申請することになりました。
これにより、奥様からいただいた報酬は、5万円(税込5万5千円)でした。
会社継続の登記
株式会社は、12年間、何も登記しないでいると強制的に解散させられることがあります。これを「みなし解散」といいますが、管轄の登記所から通知が来て2か月以内に「まだ事業を廃止していません」と届け出るか、役員変更の登記をしなければ、みなし解散の登記がすすめられることになります。
ご依頼者は、このみなし解散の登記がされた会社の代表取締役でした。気をつけなければいけないのは、登記官が職権でみなし解散の登記をしてから3年が経つと会社継続の登記ができなくなる点です。幸いにも、まだ1年が経過したくらいでした。
1人会社だったこともあり、比較的簡単に登記は完了しました。
これにより、代表取締役からいただいた報酬は、5万円(税込5万5千円)でした。
自筆証書遺言保管制度
遺言書の作成のご依頼を受けました。ご依頼者は70代の男性です。推定相続人は奥様とごきょうだいです。奥様との間に子どもはいないのですが、奥様の連れ子が2人いらっしゃいます。
ご依頼者と連れ子との関係は傍から見ても良好で、数年前まで4人で同居していたようです。しかし、養子縁組を結んではいませんでした。
遺言には大きく分けて、公正証書遺言と自筆証書遺言がありますが、今回は自筆証書遺言保管制度を選択しました。奥様はご病気で余命が幾ばくも無いということでしたが、ご依頼者も心臓に持病を抱えていました。
そのため、奥様に全財産を相続させ、もし先に亡くなった場合は連れ子2名に均等に遺贈するという内容にしました。保管の申請には法務局まで同行しました。
これにより、ご依頼者からいただいた報酬は、4万5千円(税込4万9500円)でした。
相続登記と抵当権抹消
土地の相続登記のご依頼を受けました。建物の名義はご依頼者です。何でも、固都税の納税通知が、土地と建物別々で来るので、それを直したいとのことでした。
しかし、登記記録を見ると抵当権が残ったままです。ローン自体は何年も前に完済したとのこと。抹消書類はお持ちでいらっしゃいませんかと聞くと、あるとのことでした。
ところが、それは15年ぐらい前に受け取ったもので、その法人の代表も既に退任していました。運悪く、その当時と現在の法人番号が変わっているので、法務局は閉鎖事項一部証明書をつけてくれとのこと。また、義務者の代表者は現在の代表者を記載してくれとのことでした。
相続登記の方も、被相続人が亡くなってから配偶者と長女が亡くなっており、遺産分割協議も一悶着あり、一筋縄ではいきませんでしたが、無事、相続登記と抹消登記を完了することができました。
これにより、ご依頼者からいただいた報酬は、5万2千円(税込5万7200円)でした。
相続放棄と自動車の相続
ご依頼者は被相続人の妹さんでした。相続財産は外車1台だけでした(買取金額70万円ほど)。被相続人には離婚した奥様との間に子どもが2人いたようですが、交流がなく何処に住んでいるかわからないとのことでした。
早速住所を調べ、お二人に自信が相続人になっている事実を伝えると、被相続人とは幼いころに別れたので父親とも思っていない、一切関わりたくないとのことで、相続放棄を家裁に申述することになりました。これにより、第2順位の母親が唯一の相続人となりました。
ところが、当の自動車が保険切れであることがわかりました。保険切れの車をそのまま相続により移転登録はできません。一時抹消登録をしたうえで移転登録しなければなりません。ただ、書類さえ揃えれば難しいことはありません。
これにより、ご依頼者からいただいた報酬は、相続放棄の書類作成が2人合わせて6万円(税込6万6000円)、自動車の一時抹消と移転登録が合わせて5万円(税込5万5000円)でした。ご依頼者様もディーラーも喜んでいただいて良かったです。